憲法改正

自民党の検討する緊急事態条項って自然災害の時だけのもの?

自民党が検討している緊急事態条項ってどういうもの?
簡単にいうと「大地震その他の異常かつ大規模な災害」時に、
① 内閣が、政令を作ることができる、
さらに、
② 国会議員が、本来の任期(衆院4年参院6年)が過ぎても議員でいられる、
というものです。
【条文案】2018年3月25日時点
①第73条の2(※内閣の事務を定める第73条の次に追加)
(第1項)大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。
(第2項)内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。

②第64条の2(※国会の章の末尾に特例規定として追加)
 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の3分の2以上の多数で、その任期の特例を定めることができる。
ふーん、そうすると、やっぱり大地震のときとか自然災害のときだけの話?
いえ、自然のものでなくても、「異常かつ大規模な災害」であればいいので、たとえば戦争も入ると思われます。
え~?戦争って災害なの?
例えば国民保護法では、
「武力攻撃により直接又は間接に生ずる人の死亡又は負傷、火事、爆発、放射性物質の放出その他の人的又は物的災害」のことを、
「武力攻撃災害」としています(国民保護法第2条4項)。
へ~、「武力攻撃災害」か…意外。結局、何が、この「異常かつ大規模な災害」になるのかよくわかんないね。
何が「異常かつ大規模な災害」なのかは、
内閣が政令を作るときは内閣が(第73条の2案)、
国会が任期を延長するときは国会(の出席議員の3分の2以上。第64条の2案)が、
決めることになります。
ですので、政令のときは内閣が、任期延長のときは国会の多数派が「『異常かつ大規模な災害』が発生した!」と言うだけで、それが「異常かつ大規模な災害」ということになります。
へ~。
でも、内閣が政令を作るときは、「国会の承認」(第73条の2案)が必要なんでしょ?一応、内閣と国会は別ですよね?
日本は、国会の多数派が内閣を作るので(=内閣と国会の多数派は一体)、あまり意味がないですね。
えー!そうすると、国会の多数を握った人たちがそうと決めたら、それが「異常かつ大規模な災害」になって、それで政令を作れたり、国会議員の任期を延長できたりする、ということ?
はい、この緊急事態条項の案では、そういうことになります。
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