憲法改正

「押しつけ憲法」だから変えなきゃって言う人がいるけど

日本の憲法は、戦後、GHQが作って押しつけた「押しつけ憲法」なんだから、自主憲法を制定するべきだという意見を聞きますが、どうなんでしょう。
確かに、日本国憲法が占領軍(GHQ)の影響下で制定されたのは事実です。ただ、「押しつけ」の根拠として良く取り上げられるエピソードも、詳しく検証してみると、必ずしも正確でないのです。
ふ~ん
例えば、憲法9条にしても、1項で「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と戦争の放棄を宣言していますよね。
有名な条文ですね。
でも、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」という部分は元々占領軍案には無かったところ、日本の国会の議論の中で、単に戦争を放棄するだけでなく積極的な位置づけが欲しいとあえて挿入されたものなんです。
自分の側で入れたんだ!
それに憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」の保障も日本の国会で議論したときに付け加えられたものです。
そうなんですね。
それにね、GHQが憲法制定に影響力を行使したとしても、変な話ですが、国民は「自由」を「強制」された訳で、感情的な議論に流されるべきではないと思います。
私たち国民の自由を保障する規定が不十分だった日本に平等とは何か、自由とは何かを教えたということですか?
そう。当時の市民が残した文章でも、新しい憲法でやっと戦争が無くなる、自由が得られると、新しい憲法の制定を歓迎していた様子が見てとれます。
そりゃ、あれだけひどい戦争だったんだもの。
いずれにせよ、70年以上にわたって国民に受け入れられてきた憲法をその内容を見ないまま感情的に「押しつけ」だから変えるというのは性急過ぎると思いますよ。
なので、本当に今の憲法を改正する必要があるかは慎重に考えないといけません。