憲法改正

自衛隊を憲法に明記する狙いはなに?

そうか、自衛隊を憲法に明記しても、自衛隊の中身が違憲だという議論は残るんだったら、どうして明記したいっていうんだろう。
逆に質問するけれど、みんなは自衛隊のことをどれくらい知っている?
自衛隊のイメージは、みんなが大変なところにいって、困っている人を助けてくれるイメージだな。抽象的だけど、災害救助をしてくれたし、この間の大雪のときにも世話になったし。
確かに、国民の9割以上が自衛隊を支持している。その理由としては、多くの隊員の方が命を張って災害救助活動や海外のPKO活動に行っていわゆる国際貢献をしているというのが国民の評価だと思う。
そうだね。
一方で、他の国の軍隊と違って、一人の外国人も殺していない、他国を侵略していないというのも国民の高評価の根拠ではないかな?
うん。そういう自衛隊が明記されるんだったら、今回の改憲は良いことなんじゃないかな。
そうかな?2015年の安保法制が成立する前の自衛隊は、自衛隊法で「専守防衛」が位置づけられた組織だったよね。
自衛隊=専守防衛ってイメージがあるもの。
ところが、2015年に安保法制が成立した後の自衛隊は、限定的と政府は言っているけれど、集団的自衛権といって、日本が侵略されなくても他国を攻撃できる組織になったの覚えている?
確か、あのときは学生が沢山デモをしたりして、大きく報道されていたね。
この間、自衛隊とアメリカとの合同演習も格段に増えている。現在の自衛隊の装備も自衛ではなく、他国を攻撃できる武器も多い。防衛予算も年々増加し、年間5兆円を超え、2019年度予算案においても過去最高の予算を計上しているんだ。
うーん
安倍政権は「今の自衛隊の存在を憲法に明記するだけだ」って説明しているよね?
うん。
つまり、安倍政権のいう「今の自衛隊」というのは、「集団的自衛権を行使できる」、そして「世界7位の装備を保持する自衛隊」(「世界の軍事力ランキング2017年版」GFP)の存在なんだ。
何だか自分が思っている自衛隊と違うんだけど・・・。
でしょう?今自衛隊を憲法に明記する国民投票が通れば、安倍政権は、「集団的自衛権を行使できる」、そして「世界7位の装備を保持する自衛隊」が国民に承認されたと、現状で「必要最小限度の実力部隊」として国民に支持されたんだと主張するでしょう。
え~!!そこまで詳しく自衛隊のことを知って投票する人は居ないと思うけど。
そうだよね。でも、安倍政権が国民投票の結果を何に使おうと考えているか狙いは明かです。自分たちの投票結果がどのように政治利用されるかを十分理解して行動しないと、とんでもないことになると思うよ。
僕たちの生活にも影響を与える?
「現在の国際情勢」は危険だって不安をあおって「集団的自衛権を行使できる」自衛隊が国民に承認されたとするんだから、それを理由に自衛隊の任務を拡大し、憲法上の位置づけも得られたとして防衛予算の拡大も予測されるでしょう。
「何も変わらない」って安倍さんは言っているようだけど。
安倍さんが選挙前に言っていたことを、選挙後にころころ変えるのは今までにも何度も経験済みでしょ?「変わらない」なら、お金を掛ける意味はないのに、安倍さんはなんでお金を掛けるのか理由をきちんと説明しない。
確かに、お金を掛ける理由がよく分からなくなってきた・・・。
国のお金には限りがあります。軍拡路線に入っていけば、国民生活に必要な予算を削られていくことになります。それだけではなく、これからも消費税が増税されてしまうかもしれません。
本当に憲法改正が必要かはよく考える必要があります。