憲法改正

自衛隊を憲法に明記すれば違憲だなんて言われなくなる?

安倍首相は、憲法9条に自衛隊を明記するといってるね。
そもそも、安倍首相はなぜ憲法9条を変え自衛隊を明記したいといっているのかな。
改正の理由は、憲法違反かもしれない自衛隊員たちに何かあれば命を張ってくれというのはあまりに無責任ということをあげているね。
 憲法を変えて自衛隊が違憲かどうかという議論を終わらせるということらしい。
自衛隊を憲法に明記すれば、自衛隊が違憲かどうかという議論は終わるのかな?
実は終わらない。
それはどうして?
憲法9条2項で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」と書いているのを知ってる?
うん。
そもそも、今の自衛隊が違憲かどうかは、自衛隊の実態が憲法9条2項に定める「戦力」に当たるんじゃないか、という風に問題視されているんだ。
自衛隊も「戦力」になりかねない実態を備えているってこと?
そう。毎年、自衛隊にどれだけお金がつぎ込まれているか知ってる?
正直あんまり・・・・。
平成29年度当初予算で5兆1251億円、平成30年には3兆2000億円を越えてくる見通しです。
金額が大きすぎて、多いんだか少ないんだかよく分からないけど・・・。
今では、世界で第7位の軍事力といわれている(「世界の軍事力ランキング2017年版」GFP)。自衛隊が持っている装備というのも、すごくて、戦闘機だけで347機、護衛艦47隻、潜水艦17隻、哨戒機77機、ヘリコプター103機、戦車690両などなど(2016年時点)、実際には、果たして専守防衛なのか疑問に思えるような装備を備えているんだ。
へぇ~災害救助活動をイメージしてきたけど、結構、すごいのを持ってるんだ。
でしょ?今は、これだけの実態を持つまでになった自衛隊は憲法の禁止する「戦力」に当たるんじゃないか、って議論されているんだ。
じゃあ、自衛隊のことを憲法に書き込んでも、違憲かどうかの議論がなくならないのはどうして?
自民党が今、憲法に書き込もうとしている条項案の最有力候補は、9条はそのままにして、9条の2として、次のような条文を入れようというものだとされているんだ(2018年3月25日時点)。

「①前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
②自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。」
「自衛隊を保持する」って書いちゃったら、合憲になるのかと思った。
確かに、「自衛隊」って名前の組織があること自体は否定できないだろうね。でも、実際にある「自衛隊」って名前の組織が、「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置」をとるための「実力組織」の程度に留まるかどうかは結局、今後も争われることになるだろうね。
なんだ、結局、今ある自衛隊って組織の実態が「戦力」のレベルかどうかって争いと変わらないじゃない。
安倍首相の現状はかわらない、違憲論を終わらせるためという説明なんだけど、国民投票については約850億円もの予算がかかる(2007年の衆院法制局の試算)と言われているんだ。
850億・・・すごっ、投票だけで、これだけかかるんだ。
今度、消費税が増税されるのに、国民投票もするとなるとどうなるんだろう・・・
結局、違憲かどうかの議論も終わらないし、政府は仮に国民投票で自民党の案が否決さえても、自衛隊が合憲であるという評価を変えるつもりはないって言ってる。じゃあ、何のためにこんなお金を掛けるのかしらって、ことですよね。