憲法改正

憲法が70年以上、改正されていないのはおかしい?

70年以上、憲法が改正されないっていうのはおかしいんじゃないの?
外国では、たびたび改憲している国もあるみたいだし、ドイツは60回とか…
大事なのは、改憲の回数ではなくて、どんな改憲が行われようとしているかということだと思いますよ。
どういうこと?
改憲の回数が多いと言われているドイツも、憲法の根本原則を変えるということではなくて、技術的な事項についての改憲が多いんですね。
というと?
日本では法律のレベルで規定しているような内容も、ドイツでは憲法(基本法)で決めているので、憲法(基本法)を頻繁に変えざるを得ない部分があります。それに、連邦と州の権限を頻繁に見直していることが改憲の回数が多くなる原因と言われています。
じゃあ、根本的なところは変わっていないということ?
そうです。
基本的な内容、すなわち人間の尊厳の不可侵および基本的人権の保障という本質は制定時と変わっていないと報告されています(2001年、153回国会参議院憲法調査会自由民主党の野澤太三参議院議員の報告)。
日本での改憲論議はどういう部分に関するものですか?
日本の改憲論議は、主として、憲法9条改正や緊急事態条項の導入など憲法の柱ともいえる平和主義、人権保障を大きく変えてしまう問題です。
つまり、技術的な問題ではなく、憲法の根本原則に関わる部分の改憲論議といえますね。
となると、改憲した回数を他の国と競って多い、少ないと比べても仕方が無いということ?
そうですね。
あくまで、回数ではなく中身が大事ということです。
憲法の改正が行われてこなかったことは、特におかしなことではないんですよ。