大阪都構想ってなに

9 結局のところ,都構想を実現したほうがよいのでしょうか,反対したほうがよいのでしょうか

結局のところ,都構想を実現したほうがよいのでしょうか,反対したほうがよいのでしょうか。
 最終的には,市民の皆さんが,都構想実現によって得られる利益と,失われる利益を比べてよく考えるしかありません。
 まず,賛成する人たちは,前述のように,10年間で「1・1兆円の財政効率化効果がある」などと主張していますが,これが本当なのかどうかを十分に検証する必要があります。
 他方ではっきりしているのは,都構想実現のためには,賛成する人たちの試算でも,システム改修経費や庁舎整備経費、移転経費、街区表示変更経費など最初にかかる費用が241億円,システム運用経費など毎年かかる費用が30億円とされています。
 本当に効果があるかどうかが分からないものにこれだけ多くの費用を割く必要があるのかという問題です。
 また,百歩譲って,若干の財政効果があったとしても,そこで浮いたお金がどこに使われるのかという問題があります。
 すでに繰り返し述べたように,都構想実現を目指すのは,主に「二重行政」解消のためです。そして,「二重行政」とは,現在すでにある住民サービスのいくつかを「二重行政」であると決めつけ,切り捨てることによってしか実現しません。
 他方で,都構想実現を強く主張する維新の会は,万博やカジノの実現を目指しています。とすれば,「二重行政」の名のもとに切り捨てられた住民サービスで浮いたお金がカジノなどに回されることは明らかです。
 都構想の賛否は,すでにある住民サービスを切り捨てて,カジノなどの大規模開発にお金を回すかどうか,という問題に直結するのです。
 都構想に賛成する人たちは,都構想実現によって1.1兆円が使えるようになるなど,あたかも組織さえ変えればバラ色の府政が実現するかのように主張します。
 しかし,それほど素晴らしい考えなら,なぜ多くの自治体が採用しないのでしょうか。とっくに採用してバラ色の地方自治を実現しているはずなのではないでしょうか。
 結局,「たった1人の司令官」である府知事が,すべての府民の利益を代弁してバラ色の府政を実現することは出来ないのです。それよりも,住民に根ざした大阪市が,一定の財源と権限を有したまま,他の市や大阪府と意見交換をしながら市民の声を実現していくしかないのではないでしょうか。