大阪都構想ってなに

2 なぜ「都構想」が提言されたのですか-推進派の根拠

なぜ「都構想」(特別区制度)が提起されたのですか。
 都構想賛成派は,東京一極集中や生産年齢人口の減少,超高齢社会の到来など大阪が抱える課題解決のためには,「二重行政」を解消し「広域行政」は府へ一元化する必要があるから,としているのです。
 ただ,「東京一極集中や生産年齢人口の減少,超高齢社会の到来など大阪が抱える課題」の原因がなぜ「二重行政」なのかについては具体的な説明はありません。
都構想の理由とされる「二重行政」とはどのようなことですか。
 「二重行政がある」と主張する人たちによれば,「大阪府と大阪市が十分に連携せず,それぞれが独自の考えで成長戦略や都市インフラ整備などを進めるので,大阪府の中に類似する施設や機能が重なる状態が生じている」ということです。
 しかし,様々な目的・機能をもつ施設についてこれらを個別に検討することなく「重なっている」と主張するのは,大変乱暴な議論ではないでしょうか。
 例えば,東京都には,同種の施設が国立・都立・区立の形で存在する場合がありますが,それぞれが地域の住民のニーズに基づいて住民サービスを提供しており,一概に「二重」,「無駄」と判断できるものではありません。
 他方で,現在でも,大阪市が「市内に大阪府の施設があるから,これと同様の機能を持つ施設を別に設ける必要はない」と判断すれば,その施設を作らない,あるいは廃止するなどすることはできます。つまり,仮に大阪府が不要と判断しても大阪市が必要と判断することもあり得ます。これを一方の主張のみを正しいものとして「二重行政」というのは,筋違いではないでしょうか。
 都構想を実現させるということは,それぞれが独自の目的・機能を持つ住民サービスを個別に検討することなく,たった一人のトップの意向で「二重行政」と決めつけて切り捨てることになります。
つまり,「ムダ」かどうかについての民主的な判断を否定することになるのです。