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憲法22条 海外旅行の自由

海外旅行することも憲法が規定しているの?
はい。憲法22条2項は、「外国に移住」する自由を保障しています。ここにいう「移住」は、単に外国に移り住むことだけでなく、外国に旅行することも含みます。
あまり日常では意識していないけど、これも当たり前の権利ではないんだね。ハワイや韓国、台湾などの外国に自由に旅行できるのは憲法で保障されているからなのね。
そう。そして、外国に旅行する権利は、日本に在留する外国人にも保障されています。
それは意外な感じね。
不法残留とは議論が別よ。旅行目的で日本のビザを取得している外国人が、京都に行くか奈良に行くか、神戸に寄るかで一々許可をとる必要は無いですよね?
確かにそうね。
でも、注意が必要なのは、日本に在留する外国人には出国の自由はあるけれども、再入国の自由があるかどうかについては争いがあります。最高裁判所の判例は、憲法は外国人の再入国の自由まで保障していない、再入国を認めるかどうかは法務大臣が決めることだと判断しています。もちろん、法務大臣は、「どんな場合でも再入国を拒否してもよい」というわけではなく、日本の安全を脅かす等のよっぽどの事情がないといけません。