安全保障

4 軍人・軍属による犯罪も基地に逃げ込んでしまえば・・・

ところで、在日米軍の人の日常生活について、地位協定で何か決めているの?
地位協定は、在日米軍に勤務する軍人やその家族に対して様々な特権を与えています。
まず入出国に際して、日本政府の定める入国管理手続は不要です(地位協定5条、9条)。
日本の公道で自動車を運転するときに免許は不要ですし(同10条)、関税や租税の支払義務もありません(同11条、13条)。
ずいぶん違うね。日本の免許ぐらいはとってほしいけどなあ。
また米軍に所属する軍人が、軍の任務を遂行中に侵した犯罪については、日本の司法権は及びません(同17条3項)。
軍務遂行中の犯罪でなくても、その身柄が米軍の施設下にあれば、日本の捜査当局は身柄の引き渡しを求める権利がないのです(同17条5項)。
ええ!じゃあ、米軍人が公務外で犯罪を起こした場合に、米軍基地に逃げ込んだらどうするの?
残念ながら、日本の警察は手も足もでません。そうこうしているうちに犯人が国外へ移転となってしまえば、もうそれで終わりです。
過去、殺人や強盗、強姦などの罪を犯した米軍人がこうしてお咎めなしになったケースはたくさんあります。
それじゃあ、基地の近くの住民は不安だし辛いだろうなあ…。
そうですね。こうした場面を繰り返し経験してきた沖縄県民がもう新しい基地はいらないと考えるのは当然のことでしょう。