1 米軍が希望すればどこでも基地にできてしまう?全土基地方式
安倍首相は、憲法9条を独立国としてなさけない条項であるといっているね。
そうですね。しかし、まずは日米安保条約や、その実施のための詳細を定めた日米地位協定を見てみましょう。独立国を考えるうえで重要ですから。
どんなことが書いてあるの?
米軍が、「日本のどこそこに米軍基地を作りたい」と言えば、日本政府は合理的な理由がない限りそれを断ることができません。
え!どこでも??
そうです。安保条約6条は、どこに米軍基地を設置するかは地位協定で定めるとしています。ところが、それを受けた地位協定2条は、基地を設置できる場所を限定していません。
在日米軍トップと、外務省、防衛省幹部で構成される日米合同委員会で決定しさえすれば、日本国内のどこにでも米軍基地を置くことができるのです。これには国会の同意も承認もいりません。
在日米軍トップと、外務省、防衛省幹部で構成される日米合同委員会で決定しさえすれば、日本国内のどこにでも米軍基地を置くことができるのです。これには国会の同意も承認もいりません。
国会の同意もいらないなんて知らなかった・・・。でも、日米合同委員会で決定しなければ大丈夫でしょ?
ところがそうでもありません。外務省は、地位協定の解説書で、合理的な理由がない限り合同委員会が米軍の要請を断ることはないとしています(全土基地方式といいます)。
米国は外の国とも軍事同盟しているよね?ほかの国も全土基地方式なの?
いいえ。米国と軍事同盟を締結している多くの国では、米軍基地の所在地や規模を条約で定めています。しかし、日本がいまだに全土基地方式なのです。
知らなかった・・・。
米軍基地の設置費用は日本政府が負担しなければなりません(地位協定24条)。米国が不要となった基地を返還する際にも原状回復義務はありません(同4条)。