立憲主義憲法はどのように誕生したか
日本の憲法は、何のためにあるんですか?
日本の憲法は、国会や行政府などの政治を行う者の行為・権限を監視・監督することを目的とする憲法です。こういう憲法を立憲主義憲法といいます。
「りっけんしゅぎ」。ふーん。どうして、このような形の憲法にしたんですか。
その昔、国王が国民を治める帝政国家が主流でした。しかし、国民にとってみれば、国王が代わっても、その人の意図で自由に法律を決めたり国民生活を縛れたのでは、いつまでたっても安心して生活をすることなど出来ません。
フランス革命のあとにも大分混乱していましたね。
そうそう。このような歴史的経験から、人類はどれほど「良い人」と思われていたとしても、権限を持つ以上、常にこれを濫用する危険があることを学習したんですね。そこで、国民の代わりに政治を行う時でも、守らなければならないルールとして、「憲法」を定めることにしたんです。
へ~
日本の憲法でも、99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と規定して、政治家に対し憲法を守る義務を課しています。
国民は憲法を守る義務を負わないの?
憲法の目的は、国民の権利を権力を持つ者から守るところにあるからね。このため、現在の憲法でも国民の義務の規定はあるけれど、納税の義務(30条)や普通教育を受けさせる義務(26条2項)など、ごく限られたものになっています。